「2012年からの3年間、日本の経済不調は続き、あらゆる国と様々な問題で対立したが、日本は憲法を守り、戦を避け、穏便に解決しようとした。まあ、アレだ。穏便というのは、率直には金だな。金でなんでも解決しようとしていたんだ」


お爺さんはポケットからUSBメモリのような形のものを取り出すと、それを目の前の壁にセットする。


その途端、辺りは一瞬で別世界に移動したように、壁一面が過去の映像で覆われた。


まるで、その場にいるような錯覚に陥ってしまう。


しかし手を伸ばして壁に触れれば、その部分は白く光り、映像の一部は欠如し、それが偽物であると知らされる。



つい昨日までいた場所。


空も、街も人も。


その空間が、とても愛おしい。



映像に釘付けになる私に構うことなく、お爺さんはそのまま話を続けた。