梓と同じ大学へ行こう。



初めはそう意気込んでいた。


けれど現実は厳しく、梓の学力と私の学力とでは大きな差があり、担任からは無理の一言できつく突き離された。




結局、私は進学を諦め、梓の通う大学の近くのファミレスでアルバイトをしているのだ。




梓が来てくれた事は一度だってなかったが。



自分から電話をしても、なんだか気まずくて、碌に会話もしないまま電話を切り、メールをしても、返事は数日後。





そんな日々が日常と化して、私はこのままただ、この想いが褪せる時を待ち続けるしかないのだと思ったその日。





初めて、梓からメールが届いた。




「明日ひま?」






愛想のない、そんな短い一通のメールが。