「おはよー!」

家の玄関のドアを開けると、朝から元気の良い声が聞こえた。

幼馴染みの相沢 汐莉(アイザワ シオリ)だ。

わたしと同じ学校に通っている汐莉は、いつもわたしのことを迎えに来てくれる。

「おはよ~」

「由華って家出るの遅すぎ!いつも遅刻ギリギリの時間に学校着くし、遅刻したらどうすんのよー!」

「大丈夫だよ~。ギリギリで着くように計算してるから~」

わたしの家から学校までの距離は自転車で5分。

だから、いつもチャイムがなる8分前に家を出る。