「あら、蛍そんなに急いで食べりと体壊すわよ?何処か行くの?」
何かを思い出したように目の色を変えて瞬間食いを披露した蛍を見ながら母親はポカンとしている
「さっき、バスの中で母さん言ってただろ?神父様が渡したい物があるからって話し!今思い出したんだけど、今日俺、教会の掃除頼まれてたんだよ」
「まぁ!そうだったの?大変ねぇ」
ニコニコとゆっくりした口調で「大変ねぇ」とさらっと言ってのげる天然の母親を横目に蛍はソファーにかけていた黒のパーカーを羽織って
「行ってきます!!」と急いで家を出て玄関に置いておいた自転車にまたがって風のように教会へと向かって行った


