☆消えてしまったわたしの赤ちゃん☆14歳の妊娠・・・ ~セックスを軽く考えないで~

おそらく以前のわたしなら・・・、由衣の赤ちゃんを抱くことも、見ることさえもできなかっただろう・・・。


悲しみと辛さに押しつぶされて、由衣の赤ちゃんの誕生を喜ぶことなど、とうてい無理だっただろう・・・。


数年前、遊園地で赤ちゃんをかわいがる家族連れを見たときのように、耐え切れずに泣いてしまっただろう。



でも今はただ・・・、赤ちゃんはなんてかわいいんだろうという素直な気持ちが、わたしの心を優しく包んでいる。


生まれてきてよかったねと、由衣の赤ちゃんに言ってあげたい。


このような素直な優しい気持ちになれたのは、剛が懸命にわたしを支えてくれたから・・・。


そして・・・、美幸が天国から、わたしをずっと見守ってきてくれたから・・・。






春休みは終わり、いよいよわたしは、高校三年生になった。


高校生活最後の学年の始まりだ。


梓とは三年連続同じクラスだったので、わたしたちは手をたたきあって喜んだ。


でも来年は、この高校にいないと思うと、何だか寂しい気がした。


卒業したら、わたしたちはそれぞれの道を歩んでいく。


そして梓と同じクラスで勉強することも、もうないだろう・・・。