まず最初に梓が赤ちゃんを抱かせてもらった。
梓は初めてにしては、赤ちゃんを抱くのが上手だった。
次にわたしが赤ちゃんを抱かせてもらった。
赤ちゃんのずっしりとした重みが腕に伝わる。
赤ちゃんのあたたかな体温が体に伝わる。
小さいながらも、一生懸命生きているのだということを実感する。
赤ちゃんはぽってりとした小さな手を、わたしに差し伸べてくる。
わたしは赤ちゃんのかわいい顔を見つめ、赤ちゃんに微笑みかけた。
赤ちゃんを由衣に返したあと、わたしはお手洗いに行くふりをして、洗面所でこっそり涙を流した。
でもそれは、悲しみや苦しみからではなかった。
由衣の赤ちゃんの誕生に感動し、生まれてきた命を実感して、ごく自然に流れ出てきた涙だった。
由衣の赤ちゃんを抱く前まで、本当はすごく不安だった。
わたしの赤ちゃんは生まれることができなかったのに、どうして由衣の赤ちゃんは生まれたの・・・?
どうしてなの・・・?
そういった妬みのようなものが、心に湧き上がってくるのではないかと思うと、不安でたまらなかった。
わたしには、由衣の赤ちゃんの誕生を、喜ぶことができないかもしれない・・・。
祝福することができないかもしれない・・・。
梓は初めてにしては、赤ちゃんを抱くのが上手だった。
次にわたしが赤ちゃんを抱かせてもらった。
赤ちゃんのずっしりとした重みが腕に伝わる。
赤ちゃんのあたたかな体温が体に伝わる。
小さいながらも、一生懸命生きているのだということを実感する。
赤ちゃんはぽってりとした小さな手を、わたしに差し伸べてくる。
わたしは赤ちゃんのかわいい顔を見つめ、赤ちゃんに微笑みかけた。
赤ちゃんを由衣に返したあと、わたしはお手洗いに行くふりをして、洗面所でこっそり涙を流した。
でもそれは、悲しみや苦しみからではなかった。
由衣の赤ちゃんの誕生に感動し、生まれてきた命を実感して、ごく自然に流れ出てきた涙だった。
由衣の赤ちゃんを抱く前まで、本当はすごく不安だった。
わたしの赤ちゃんは生まれることができなかったのに、どうして由衣の赤ちゃんは生まれたの・・・?
どうしてなの・・・?
そういった妬みのようなものが、心に湧き上がってくるのではないかと思うと、不安でたまらなかった。
わたしには、由衣の赤ちゃんの誕生を、喜ぶことができないかもしれない・・・。
祝福することができないかもしれない・・・。


