でも克之くんは、わたしがみじめだから、付き合ってくれてるだけだよ・・・。
それに・・・、克之くんは美里をいじめ始めたのが、わたしだってことを知らない。
もしそのことを知ったら・・・、わたしは克之くんに捨てられると思う・・・。
捨てられるのが怖くて・・・、わたし、言えなくて・・・。克之くんなしじゃ、わたし、生きていけないから・・・。」
利栄子の話が本当のことだということは、彼女の目を見れば分かった
かつての利栄子に感じられた傲慢なまでの力強さは、もはやない。
今の利栄子にとって、かっちゃんだけが生きていく希望の光なのだということが、わたしには分かった。
「美里、ほんとにごめんね・・・。」
利栄子はわたしに、深く頭を下げた。
「あんなことして、ごめんなさい・・・。美里のこと、あんなふうに、みんなに言いふらしたりしてごめんなさい・・・。
美里の赤ちゃんにまでひどいことして、ごめんなさい・・・。本当にごめんなさい・・・。
謝っても許してもらえるとは思ってないけど・・・。でもわたしにはただ謝ることしかできないから・・・。」
あれほどまでに、わたしの心に煮えたぎっていた利栄子に対する激しい怒りは、驚くほど小さくしぼんでいた。
ついさっきまでは、利栄子を突き飛ばしてやりたいと思った。
ののしってやりたい気分だった。
でも今は・・・、利栄子のことがただかわいそうに思えた。
かつて、いじめた側といじめられた側。
あのとき、わたしたちの立場は大きく違っていた。
でも今のわたしたちは、一人の人間として、向き合っている。
そして失った赤ちゃんへの想いは、二人とも同じだということを、わたしは感じていた。
それに・・・、克之くんは美里をいじめ始めたのが、わたしだってことを知らない。
もしそのことを知ったら・・・、わたしは克之くんに捨てられると思う・・・。
捨てられるのが怖くて・・・、わたし、言えなくて・・・。克之くんなしじゃ、わたし、生きていけないから・・・。」
利栄子の話が本当のことだということは、彼女の目を見れば分かった
かつての利栄子に感じられた傲慢なまでの力強さは、もはやない。
今の利栄子にとって、かっちゃんだけが生きていく希望の光なのだということが、わたしには分かった。
「美里、ほんとにごめんね・・・。」
利栄子はわたしに、深く頭を下げた。
「あんなことして、ごめんなさい・・・。美里のこと、あんなふうに、みんなに言いふらしたりしてごめんなさい・・・。
美里の赤ちゃんにまでひどいことして、ごめんなさい・・・。本当にごめんなさい・・・。
謝っても許してもらえるとは思ってないけど・・・。でもわたしにはただ謝ることしかできないから・・・。」
あれほどまでに、わたしの心に煮えたぎっていた利栄子に対する激しい怒りは、驚くほど小さくしぼんでいた。
ついさっきまでは、利栄子を突き飛ばしてやりたいと思った。
ののしってやりたい気分だった。
でも今は・・・、利栄子のことがただかわいそうに思えた。
かつて、いじめた側といじめられた側。
あのとき、わたしたちの立場は大きく違っていた。
でも今のわたしたちは、一人の人間として、向き合っている。
そして失った赤ちゃんへの想いは、二人とも同じだということを、わたしは感じていた。


