「お待たせー。ケーキ、買ってきたよ。」


梓は元気よくそう言って、ケーキの入った箱を、わたしたちにかかげてみせた。




クリスマスディナーは、それぞれが持ち寄った料理を、みんなで食べることにしていた。


わたしは家で揚げたフライドチキン、梓はクリスマスケーキ、そして剛はサラダなどその他の料理を、あらかじめ作っておいてくれた。


わたしたちはそれらの料理をテーブルの上に並べ、キャンドルに火を灯し、テーブルに着いた。


「メリークリスマス!」


「乾杯!」


わたしたちはライングラスを片手に持ち、乾杯した。


剛のグラスにつがれているのは、本物の赤ワイン。


わたしと梓のグラスに入っているのは、ワインのように赤い色をしたクランベリージュース。




わたしたちは楽しくおしゃべりをしながら、料理を食べた。


どの料理もとてもおいしかった。


梓はすきを狙っては、剛のそばに置かれたワインのミニボトルに手をのばそうとしたが、そのたびに剛に止められた。