☆消えてしまったわたしの赤ちゃん☆14歳の妊娠・・・ ~セックスを軽く考えないで~

わたしは手を伸ばして、剛の大きな手を握った。


自分でもなぜだか分からないけれど、言葉で何か言うよりも、そうするほうが自然のことのように思えたのだ。


剛は、初めは手を握られて、驚いたようだけど、すぐにわたしの手を握り返してくれた。



「次は美里ちゃんが話す番だよ。」

剛は言った。


「えっ・・・?」


わたしは顔を横に向けて、剛を見た。


「美里ちゃんも、誰か大切な人を失ったんだろ・・・?」


剛はこちらを向き、わたしの目を見つめている。



わたしは黙ったまま、剛から目をそらした。


「話したくないなら、話さなくてもいいよ。」


剛は優しく言った。


「でも話したくなったら、いつでも話を聞くから。本当の兄さんだと思って、話してくれていいから。」



わたしはいったんそらした目を、再び剛に向けた。


剛の瞳が、わたしの瞳をまっすぐ見つめている。


偽りのない瞳。


優しいまなざし。


わたしは小さく口を開きかけた。


固く閉じられていた心の奥の扉が、開きかけた。