☆消えてしまったわたしの赤ちゃん☆14歳の妊娠・・・ ~セックスを軽く考えないで~

「あっ、わたし、ハンカチ返すの忘れてた!」


「ハンカチ?ああ、あのときの・・・。」


剛も思い出したようだった。



ハンカチというのは夏休みに遊園地に行ったとき、突然泣き出したわたしに、剛が差し出してくれたあのハンカチだ。


あのあと、わたしはハンカチを持ち帰ってしまい、家で洗濯したものの、どうやって返そうかと考えているうちに、返しそびれていたのだ。


「あのハンカチ、美里ちゃんにあげるよ。」


剛は言った。


「いえ、そんな。ちゃんと返さないと。洗濯して、たたんであるし。」


わたしは言った。


「それなら、またあした、駅前かどこかで、待ち合わせするのはどうかな?

でもおれ、あしたは8時くらいまで予定入ってるから、夜の9時半とかでもいい?」


「はい、いいですよ。」


そういうわけで、わたしと剛は、再び翌日の夜に会うことになった。




自転車に乗って、家路へと急ぎながら、わたしの胸に再び、コンビニの窓から見たかっちゃんと利栄子の姿が浮かんできた。


手をつないで歩く二人の姿。


剛と会っている間は、二人のことを考えなくてすんでいた。


でも一人になったとたん、またあのときの映像が蘇ってくる――。



でも・・・、考えてもどうしようもないだけ・・・。


いくらわたしが思い悩んでも、その気持ちがかっちゃんに伝わるわけではない・・・。


苛立ちばかりがつのるだけ・・・。