「できるかな・・・。」


孝雄は不安そうな表情を見せた。


「せっかく梓が変身させてくれたんだから、勇気を出して。」


わたしは言った。


「わたしたち、応援してるよ!」


梓は孝雄の肩をぽんっとたたいた。


「告白に成功したあかつきには、わたしと美里にアイスクリームでもおごってね!」





孝雄の変身ぶりに、おしゃれな麻里奈が気づかないわけがなかった。


そのことを知っていて、おそらく梓はこの作戦を思いついたのだろう。


そして孝雄なら麻里奈を裏切ることはないと分かっていて、彼の恋を手助けしたのだろう。



「ねぇ、孝雄くんって、なんか急に変わったよね。」


さっそく作戦の成果があったのか、麻里奈がわたしと梓にそんなことを言った。



「あぁ、そうだね。」


わたしは何気ない雰囲気を装って返事をした。


「好きな子でもできたんじゃないの。」


梓も何気ない口調でそう言った。