そのとき、るんるん気分で、梓が戻ってきた。


「あの絶叫マシーン、超楽しかったよー!」


梓はわたしたちのそばに来るなり、明るくそう言った。


「よかったね!」


わたしは笑顔を作り、梓に言った。


目が赤くなって、泣いていたことがばれないか、内心心配だったけれど、梓は気づいていないようだった。



「あっ、お兄ちゃんったら、自分の分と美里の分だけジュース買ったんだ。ずるーい。」


「梓が絶叫マシーン楽しんでたかわりに、おれたちはジュース飲んでたのさ。」


剛は梓にそう言いながら、心配そうなまなざしを、ちらりとわたしに向けた。


「ねぇ、お昼ごはんでも食べようか?もう一時半だし。」


梓は携帯電話を開き、時間を見ながら言った。


「うん、そうしようよ。」

わたしは言った。