お祈りを終えて、合わせた両手をはなしたとき、ふとわたしは背後で階段がきしむ音を聞いた。
振り返ると、剛がちょうど二階に上がってきたところだった。
「あぁ、美里ちゃん、まだ寝てなかったんだね。」
剛はわたしに向かって言った。
「梓はしゃべりだしたら、止まらないだろ?」
「はい、まぁ、ええ・・・。」
わたしはあやふやな返事をした。
「ここの天窓、夜空がよく見えるよね。」
剛は天窓を見上げながら言った。
「はい、そうですね・・・。」
わたしはうなずいた。
「ここに立って、天窓から青空とか夜空を眺めていると、何となく天国にいる人と近づける気がするんだよね。」
「天国にいる人と・・・?」
「うん。おれさ、じいちゃん子だったんだけど、じいちゃんが9歳のときに死んだんだ。それで子供の頃はよくここの天窓から空を眺めながら、じいちゃんに話しかけてたよ。今でもときどき話しかけてる。」
「そうなんですか・・・。」
「じゃあ、美里ちゃん、おやすみ。」
「おやすみなさい。」
剛は短い廊下を渡って、突き当りの左側のドアを開け、部屋の中に入っていった。
振り返ると、剛がちょうど二階に上がってきたところだった。
「あぁ、美里ちゃん、まだ寝てなかったんだね。」
剛はわたしに向かって言った。
「梓はしゃべりだしたら、止まらないだろ?」
「はい、まぁ、ええ・・・。」
わたしはあやふやな返事をした。
「ここの天窓、夜空がよく見えるよね。」
剛は天窓を見上げながら言った。
「はい、そうですね・・・。」
わたしはうなずいた。
「ここに立って、天窓から青空とか夜空を眺めていると、何となく天国にいる人と近づける気がするんだよね。」
「天国にいる人と・・・?」
「うん。おれさ、じいちゃん子だったんだけど、じいちゃんが9歳のときに死んだんだ。それで子供の頃はよくここの天窓から空を眺めながら、じいちゃんに話しかけてたよ。今でもときどき話しかけてる。」
「そうなんですか・・・。」
「じゃあ、美里ちゃん、おやすみ。」
「おやすみなさい。」
剛は短い廊下を渡って、突き当りの左側のドアを開け、部屋の中に入っていった。


