☆消えてしまったわたしの赤ちゃん☆14歳の妊娠・・・ ~セックスを軽く考えないで~

お祈りを終えて、合わせた両手をはなしたとき、ふとわたしは背後で階段がきしむ音を聞いた。


振り返ると、剛がちょうど二階に上がってきたところだった。




「あぁ、美里ちゃん、まだ寝てなかったんだね。」


剛はわたしに向かって言った。


「梓はしゃべりだしたら、止まらないだろ?」


「はい、まぁ、ええ・・・。」


わたしはあやふやな返事をした。


「ここの天窓、夜空がよく見えるよね。」


剛は天窓を見上げながら言った。


「はい、そうですね・・・。」


わたしはうなずいた。


「ここに立って、天窓から青空とか夜空を眺めていると、何となく天国にいる人と近づける気がするんだよね。」


「天国にいる人と・・・?」


「うん。おれさ、じいちゃん子だったんだけど、じいちゃんが9歳のときに死んだんだ。それで子供の頃はよくここの天窓から空を眺めながら、じいちゃんに話しかけてたよ。今でもときどき話しかけてる。」


「そうなんですか・・・。」


「じゃあ、美里ちゃん、おやすみ。」


「おやすみなさい。」


剛は短い廊下を渡って、突き当りの左側のドアを開け、部屋の中に入っていった。