バッグを落とした音に気づき、男の人が顔を上げた。
猫も目を開けた。
わたしたちの目が合った。
「ごめんなさい!」
わたしは慌てて、バッグを拾い上げ、ドアを閉めた。
それからおずおずと、今度は右側のドアをほんの少しだけ開けてみた。
水玉のカーテンがさがっていて、戸棚にはテディベアが置かれている。
間違いなく、梓の部屋だろう。
そう思って、ドアを開けると、今度こそ本当に梓の部屋だった。
わたしは部屋のすみにバッグを置いた。
それから部屋から出て、急いで一階に戻った。
「梓、突き当たりにドアが二つあったから、わたし、間違えてドア開けちゃったよ!」
わたしは一階に戻るなり、梓に言った。
「あぁ、右側のドアって言うの、忘れてた。」
梓はグラスにカルピスをつぎながら、のんきな声で言った。
「わたし、びっくりしちゃった。わたしたちの他に誰かいるなんて、知らなかったから。」
「あぁ、ごめんね。」
「ところで左側の部屋にいた人って、誰・・・?」
「お兄ちゃんだよ。」
梓はわたしにカルピスのグラスを手渡した。
「普段は別のところに住んでるけど、夏休みの間は家に帰ってきてるんだ。」
「ふーん・・・。」
猫も目を開けた。
わたしたちの目が合った。
「ごめんなさい!」
わたしは慌てて、バッグを拾い上げ、ドアを閉めた。
それからおずおずと、今度は右側のドアをほんの少しだけ開けてみた。
水玉のカーテンがさがっていて、戸棚にはテディベアが置かれている。
間違いなく、梓の部屋だろう。
そう思って、ドアを開けると、今度こそ本当に梓の部屋だった。
わたしは部屋のすみにバッグを置いた。
それから部屋から出て、急いで一階に戻った。
「梓、突き当たりにドアが二つあったから、わたし、間違えてドア開けちゃったよ!」
わたしは一階に戻るなり、梓に言った。
「あぁ、右側のドアって言うの、忘れてた。」
梓はグラスにカルピスをつぎながら、のんきな声で言った。
「わたし、びっくりしちゃった。わたしたちの他に誰かいるなんて、知らなかったから。」
「あぁ、ごめんね。」
「ところで左側の部屋にいた人って、誰・・・?」
「お兄ちゃんだよ。」
梓はわたしにカルピスのグラスを手渡した。
「普段は別のところに住んでるけど、夏休みの間は家に帰ってきてるんだ。」
「ふーん・・・。」


