クトラを推薦したのは、騎士団長である。
かなり強く推してきただけあり、納得の実力であった。
エルクはクトラへと歩み寄り、鷹の足にくくられた書状を外す。
足が軽くなり羽を広げた鷹に驚き、クトラは身を捩った。
「恐がらなくていい。こいつは賢いからな」
エルクが腕を伸ばすと、鷹はひょいとエルクの腕に飛び乗った。
人差し指で喉を掻いてやると、鷹は気持ち良さそうに目を閉じる。
「ご苦労だった。今日はゆっくり休むといい」
「はい!」
クトラは一礼し、足早に扉へと駆け寄った。
扉を開けようとクトラが手を伸ばしたとき、外側から誰かが扉を押して中へと入ってきた。
