金色の師弟


オネスト王国では、エルクを中心とした山賊討伐作戦本部が設置された。

今回はアルノムの見舞いという私的な訪問だったため、連れてきた兵はアデルの小隊と数日前に隊長に任命された志願兵の隊の二小隊のみ。

報告にあった被害からは規模の小さな山賊のようなので、エルクはそのまま討伐に向かうと決めた。

特別にあてがわれた部屋で、出発の日取りや隊列などを考えていると、扉の外から大きな足音が聞こえた。

「エルク様、メルディ王国から鷹が来ました」

新任の小隊長、クトラが腕に雄々しい鷹を乗せて駆け込んでくる。