城の内情は、はっきり言って不安定である。
貴族を中心とした主戦派が政治を仕切っており、志願兵を中心とした反対派が抑えつけられているという現状だ。
志願兵も全てが反対派というわけではなく、強い貴族に可愛がられている者はそれに従っている。

そして、アデルがノルダ砦を制圧してから、更に税が上がった。
開戦に伴い上げた税を更に上げたのだ。
民の反発は無視出来ない。
ノルンから送られてきた情報によると、まだ暴動が起きた町はないが、不満は高まりつつあり危険であるとのことだ。

そろそろ王都に呼び出されるだろうことも、あらかじめノルンから忠告されていた。
メルディ国の兵士は殺さないくせに、命令違反を犯したシェーダ軍の兵士は処罰する。
その姿勢がまた反感を買っていると知らされた。

アデルは対して気にしてはいないが。
むしろ、怒らせるほうが好都合だ。