金色の師弟


紅い瞳が、見る見るうちに丸くなっていく。

「これは……!!」

「団長殿は、俺に会いたくて堪らないらしい」

可笑しそうに笑うアデルに、ジョシュアは珍しく怒気を露わに詰め寄った。
机に書状を叩きつけると、美しい銀の髪を震わせる。

「笑い事ではありません!これは……」

「食料不足に関する責任を問われているが、おそらくそれだけではないだろうな」

先程、ノルダ砦へと届けられた王都からの出頭命令であった。
食料不足に関する指揮官の責任を問う、と題打ってはあるが、実際はアデルをノルダ砦から引き剥がしたいだけだろう。

「……エルク様から貴方を引き剥がすためにノルダ砦遠征を命じ、今度は呼び戻すのですか?」

「まさか、本当に落とすとは思わなかったんだろ」

シェーダ国内でも、ノルダ砦は難攻不落と恐れられていた。
だから、騎士団長は厄介払いの意味を籠めてアデルに制圧を命じたのだろう。