ミーナの隣で口を閉ざしていたゴードが、ルイを見下ろしながら低く尋ねた。
「何か思い悩んでいるようだが、どうした?」
「まぁ、お話できることなら話してください。相談に乗ります」
ミーナはルイの手を取り、藍色の瞳を不安げに揺らしながら彼女を覗き込んだ。
ミーナは心優しく、ゴードは武人として優秀な人間。
ルイは口にすべきか躊躇った。
だが、折角の好意を遠慮するのも失礼な気がする。
それにこの二人なら、自分の悩みについて何かしらのアドバイスをくれるのではないか、とルイは口を開いた。
「私……真似をすることしかできないんです」
「真似……?」
唸るようなゴードの呟きに、ルイは頷いた。
「強くなりたいのに、人の真似をして誰かを追い掛けることしか出来ません。……それは結局、私の力じゃないのに……」
ルイの言葉に、カトルは一人納得していた。
彼女の表情が曇っていた原因は、そちらにあったのだ。
