金色の師弟


突然身体の拘束を解かれ、少女はその場にぺたりと座り込んだ。
両腕で自身の身体を抱えるようにし、中年の兵士を片手で投げ飛ばした男を見上げる。

「大丈夫ですか?」

「あ……はい……」

妖しく光る紅の瞳と雪原のように輝く銀色の髪を持った青年が、妖艶な見た目に反して柔らかな笑みを少女に向けた。
詰め襟で膝まで丈のある赤茶色の服に入った金色の刺繍が、彼の育ちの良さを示していた。

中年男と同じく帯剣していることから、青年もシェーダ兵であることに気付いたが、助けられたことと青年の容姿に、少女は見惚れながら頷いた。
兵の暴力を未然に防ぐことが出来たと知り、青年は頬を緩めた。

そして、温かみの欠けらもない紅の瞳を廊下に転がっている男へと向けた。

「貴様!何をす……る……!?」

投げ飛ばしたことに対して怒りを露わに男は声を荒げたが、自分を見下す相手の顔を確認した途端に、言葉を詰まらせた。