金色の師弟


「知り合いと言えばそうだが……親密さなら、こいつが一番だろうな」

「!」

からかいを含むディンの微笑に、ルイは恥ずかしそうに俯いた。
そして、すぐに今の状況を思い出して表情を暗くした。

アデルがノルダ砦を攻めたと聞いたとき、絶望に目の前が真っ暗になった。
それでも、彼を愛しいと思う気持ちは変わらない。
国を攻めた敵であるはずのアデルを、敵として憎むことがルイには出来なかった。
戦わねばならないことは、わかっているのに、ルイはアデルに弓を引くことが出来る気がしない。

「ルイ?」

ユリアに覗き込まれ、ルイはすぐさま笑顔を浮かべた。
ショックを受けているのは、友人であるディンや彼を認めているライラも同じだろう。
ディンが明るい声を上げたのは、その不安を紛らわすためだ。

「ルイ、金色の風と親しいの?あの人、弓騎士の憧れでしょう?凄いわ!」

ユリアは純粋に感動している様子だ。
親しいという言葉の意味をはっきりと理解していなかった。
それに気付いたディンは、複雑な笑みを浮かべながらルイの頭を大きな手で撫でた。