大臣、小隊長たちが退出した後に続き、ユリア、ルイ、ライラにディンが会議室を後にした。
イアンは宰相や将軍、団長と話し合いたいということでまだ気を抜けずにいる。
部屋を一歩出た瞬間に、ディンが固くなった身体を解すために両腕を空へと伸ばした。
「アデルが……か」
「予想外というわけでもないだろ」
「ん……」
冷たく言い放つライラに、煮え切らない態度でディンは頷いた。
信じたくないという気持ちが滲んだその態度に、ユリアは不思議そうに後ろを歩く二人を振り返った。
「お二人は、金色の風とはお知り合いなのですか?」
有名な弓騎士アデルに対して親しげな様子が、ユリアには信じられなかった。
メルディとシェーダ間の兵たちが親しいことは知っていたが、辺境の地であるノルダ砦で暮らしているユリアには人間関係に関する噂までは入ってこない。
首を傾げたユリアに向けて、ディンは苦笑混じりにルイを指差した。
