美しい顔立ちは誰もの目を奪うが、ミーナの美しさは顔よりも心にあった。
草花を愛で、人々を愛する。
豊かな自然の中で育ったミーナの優しさはまるで太陽のように全ての人へと降り注がれる。
「ルイにカトルですね。休憩時間にも鍛練とは、感心します」
微笑みかけられ、カトルだけでなくルイも赤面してしまった。
顔を上げた二人に、ミーナは立つように促した。
カトルがゆっくりと立ち上がり、ルイがそれに続く。
「イアン様は元気ですか?」
「はい。お体にも変わりはなく、職務をこなしていらっしゃいます」
カトルの返事にミーナは頬を染め、頷いた。
その顔を見れば、ミーナがイアンを恋い慕っていることが明らかだった。
ただ一人、この場ではルイだけがわかっていないのだが。
