金色の師弟


彼の意見を、求めていた。

「王子は、シェーダ国に行く気でいるのか?」

ノルダ砦の話から外れた問いに、宰相は眉をしかめた。
この場で意味のない質問をするような人間ではないと知っているイアンは、決意を固めるようにゆっくりと頷く。

「あぁ。エルクと、直接話したい」

平和的解決を望む。
その姿勢に、ライラは頷いた。

「文書を見る限りでは、交渉の余地を感じられない。だから、王子には密かにシェーダへ侵入し王都を目指してもらいたい」

「密かに……?」

「あぁ。会談を希望したところで応じてもらえるかはわからない。……いや、宣戦布告をした時点で、あちらにその意志はないだろう」

イアンが目を見開き、息を詰まらせた。
絶望を押し殺した彼の拳が机の下で震えていることを、ルイははっきりと見てしまった。