金色の師弟


「鼠のようにこそこそと何やら動き回っている愚国などに、メルディの土は踏ませない」

淡々と敵意を剥き出しにするライラの瞳に、静かな火が宿る。
ルイは、イアンの元に跪いたままライラを見上げた。
深緑の瞳は、力強く前を見据える。

「国境沿いに兵力を固め、シェーダからの侵攻がありながらもこちらにはまだ余裕があると見せ付ける。そして、お前たちの企みはわかっていると伝えるんだ」

シェーダ国が、メルディとデモンドの繋がりを疑っている。
その事実から、ライラはデモンドが何かしらの方法を使いシェーダ国に偽の情報を撒いたのだと確信した。
信じられないのは、誇り高く見えたシェーダの王がそれを信じたこと。
そして、聡明なあの策士がそれに従ったこと。
事情は後からわかると諦め、ライラはこれからの進路を頭に描く。

メルディ王国を守るために、何を選ぶか。
仮にエルクの命を犠牲にしても、ライラはメルディの未来を選ばねばならない。