金色の師弟


イアンは、意見を求め将軍に視線を送った。
王の倍以上の年齢の将軍は、整えられた白い髭を撫でて唸るように言った。

「そうなりますと、かなりの人数を集めたいですな。デモンドの兵力もわかりませんし……」

「全部、持っていけばいい」

将軍の言葉を割った若き軍師は、平然とした顔でそれを言った。

「小隊以下の騎士団員も連れていけ。あと、周囲から兵を集めろ」

徴兵には、イアンがすかさず反対した。

「待て、ライラ。志願してくれるならともかく、民を無理に戦わせることはしたくない」

甘さと優しさの交じった主張を、ライラは鼻で笑い飛ばした。
それもまた、自分を悪く見せイアンを持ち上げようとするライラの演技であるのだが。

「王子は、甘過ぎる。国の大事に多少の無理は必要だ。……と、言いたいところだが」

ライラは一度目を伏せると、将軍、そして騎士団長に視線を向けた。

「民は、いるだけでいい。ただそこにいて、あたかも戦力であるかのように堂々としてくれれば十分だ」

「つまりおぬしは、デモンド相手にはったりで勝負するつもりなのか?」

将軍の問い掛けに、ライラは無表情のまま頷いた。