「会い……たいっ……」
ぼろぼろと零れる大粒の涙が、頬を熱く濡らした。
不意に、アデルが動いた。
そっとルイの涙を拭い、微笑む。
形のいい唇が、音もなく言葉を発した。
『ごめん』
哀しそうに、アデルは言った。
ルイは大きく首を振る。
アデルが謝る必要なんてないのに。
淋しさも我慢出来る。
アデルが、好きだと言ってくれたから。
だから、大丈夫。
ルイは涙を流しながら、アデルを見上げて微笑んだ。
それでも、アデルは哀しげな笑みを浮かべたまま、ルイの涙を拭い続ける。
決して晴れないアデルの表情が、夢の中だとわかっていても、ルイの心を騒めかせた。
