勿体ぶる意味はない。
そう判断し、ライラは机上に広がる地図を畳みながらやや早口に自身の推論を述べる。
「デモンドは僕達に対し戦争の準備をしている姿を隠していない。そこに、三つの可能性を考えた」
「一つは……僕らが対策を練ったところで意味はないと考えているから、かな」
イアンの言葉に、ライラはゆっくりと頷いた。
この推理の恐ろしいところは、デモンドがすでにメルディ・シェーダを圧倒した気でいる部分だ。
「この場合、デモンドが組むのは……ドルネア」
間を空けて放たれた北の軍事大国の名。
普段のライラなら、間を置いて勿体ぶらせるような真似は好まない。
無意識にライラが作り出した間は、彼の不安に由来するものであった。
推測の域で留まってほしい。
言外に籠められた気持ちは、イアンも同じだった。
