紙束には、ライラが独自に調査した内容が事細かに記録されていた。
中には役に立つか不明なものもあるのだが、ライラは気になったものは全て書かなければ気が済まなかった。
「農家の証言もあった。ここ数ヶ月の間に売れた作物はほとんどが王家によると」
「……食料と軍備を整えて、この国を侵略する気か」
イアンの濃紺の瞳に、暗い炎が宿った。
静かな闘志が、イアンを包む。
彼の優しさは常に国民に向けられており、その平和を乱すような者があれば、許すわけにはいかなかった。
憤りを隠すことのない殺気じみた雰囲気に、ライラは平然と頷いてみせる。
「あるいは、オネスト国か。わからないが、ここはシェーダにも現状を伝えて協力すべきだと思う」
ライラの提案は最もであった。
メルディ国のみを守るだけならば、おそらくデモンドを相手にしても引けは取らないだろう。
だが、デモンドと接しているのはオネストも同じ。
三国間の同盟は、このような場合に真価を発揮するのだ。
