覚醒していないルイの頭が、酸素を求めた。
だが、口を開けば逆にアデルに酸素を奪われてゆく。
「ん……はぁ……」
唇の端から漏れる吐息に、次第に色が付き始める。
「……っふ、ぁ……!」
ルイは眉をしかめ、アデルの胸を叩いた。
割と強く叩かれ、アデルはしぶしぶ唇を離した。
「朝から……何を……!」
ルイの顔は羞恥に染まり、いつものように困った顔をしていた。
それが嬉しくて、アデルはルイの上に覆いかぶさると笑顔を浮かべた。
「おはようのキスでもしてやろうかと思ってな」
「そんなの……!」
言い返そうとしたルイが、悔しそうに口を閉ざした。
ひどく美しく、アデルは不敵な笑みを浮かべた。
「いりません!……と言わないのか?」
「……」
ルイは真っ赤な顔で視線を逸らした。
以前だったらルイはアデルを突っぱねていただろう。
だが、今のルイにはそれが出来なかった。
「……嫌じゃ、ないんです」
ぼそりと呟くと、ルイはそれから口を閉じた。
