金色の師弟


ルイの制止の声に意味はなく、アデルはそっとファスナーを下ろす。
直に背中へと触れたアデルの手があまりにも冷たくて、ルイは身体を震わせた。

「ルイが、欲しい」

鎖骨に吸い付いたまま、アデルはルイを見上げた。
金色の瞳に、魂を奪われる。
そう、ルイの心はずっと奪われてばかりだった。

ルイは覚悟を決めて、アデルの頭に腕を回した。
目の前には、艶やかな漆黒の髪。
いきなりルイの胸に閉じ込められ、アデルは目を丸くした。
一体どんな心境なのかわからない。

煩く高鳴るルイの心音。
抱き締められたときよりやキスをしたときよりも、アデルと触れ合う部分は燃えるように熱く感じる。

「初めては、全部、アデルさんがいいです……」

アデルの耳元で響いた震える声。
頭を包む手も、微かに震えていた。

初めてだから、怖い。
当たり前のことだ。
気に掛けてやれなかった自分が情けない。
アデルは、目を伏せた。