金色の師弟


「私はアデルさんが好きです。でも、イアン様も大切です」

「あぁ」

「ミーナ様との婚姻が決まり、これからは益々大変になるでしょう」

「だろうな」

「だから、私はあの方の傍を離れることは出来ません」

ルイの想いは、アデルにも痛い程よく理解出来た。
今、主君の傍を離れられないのはアデルも同じ。
愛する人に選ばれなかったという心の傷を抱えたエルクの、傍にいてやりたい。

「シェーダに行くことは出来ません。……でも、一人の男性としてアデルさんを愛しています」

だから、とルイはアデルに詰め寄った。

「私も、貴方に好かれたい。もしも未来に可能性があるのなら、私はアデルさんが最初で最後の恋でいい!」

アデルは言った。
未来の可能性に賭けると。
強引に連れていくような真似はしないと、決意した。
そんなアデルの気持ちに触れて、ルイも本音が溢れた。

「こんな欲張りな私でも、いいんですか?両方を望んでも、許してくれますか?」

熱の籠められたルイの主張に、アデルは圧倒された。
小さな身体のどこにその情熱を隠していたのだろうか。

アデルはふっと表情を緩める。

「欲張りはお互い様だ」

幸せに満たされた胸に、アデルはルイを抱き寄せた。