このままでは、アデルに流されてしまう。
アデルを好きな気持ちは本当だから、触れられたいという気持ちはある。
だが、ルイはまだ自分の言葉で想いを伝えてはいなかった。
ルイはそっとアデルの両肩を押す。
扉を押し開ける程の力もなかった。
だが、アデルはルイに従い身体を離す。
やや不満げに自分を見上げるアデルの瞳が、孤児院で遊んで欲しがる妹や弟達に似ていてルイは小さく笑みを零した。
「ん?どうした?」
「いえ……アデルさんが、可愛くて」
「可愛い?」
心外だ、とでも言いたげなアデルの視線を真っ向から受け止め、ルイは目を細めた。
「好きです」
「……!」
「ちゃんと私の気持ちも、伝えておきたいんです」
ルイは自分に正直になることを決めたのだから、もう逃げたりはしない。
今までの自分は狡かった。
アデルの好意を知っていて、知らないふりをした。
受け入れることも突き放すことも拒み、それでも傍にいてくれたアデルに甘えた。
それがいけないということは、ちゃんとわかっていたのに。
アデルの優しさに、甘え続けていた。
