金色の師弟


怖い。
それ以上に、高鳴る胸。
心臓が張り裂けるとしたら、まさしく今だろう。
ルイは固まった身体のまま、きつく目を閉じる。
すると、アデルの体温がゆっくりと首筋から離れていった。

「……いいのか?」

ルイが目を開けると、アデルは困った様子で眉をしかめていた。
何を確認しているのかがわからないルイではない。
悪い、とは思わない。
だが、積極的にいいとも思えなかった。

いいとも悪いとも答えられずに黙っていると、アデルがルイの身体を抱き締める。
先程のキスと同一人物とは思えない、壊れ物を抱くような優しい抱擁。

「俺はルイが好きだから、触れたいし抱きたい。……お前にとっては恥ずかしいことかもしれないが、許してほしい」

アデルの手が、ルイの背中のファスナーに触れた。

「あ……」

「嫌なら嫌でいい。……お前が俺を好きでいてくれるのなら、別に今日でなくてもチャンスはあるのだからな」

アデルはファスナーに手を触れるだけに留め小さく微笑むと、首の向きを変えてルイの耳たぶを唇で咥えた。