ルイは顔を赤くしながらも、アデルから目を逸らさずに言葉を待った。
指先が震える。
好きだ、というシンプルな言葉が、ルイの胸を騒がせる。
気の利いた台詞など、必要ない。
今のアデルからの言葉は、どれだけ不器用であろうとルイを喜ばせる。
アデルは目を開け、上目にルイを見上げた。
そして、くしゃりと笑う。
「言葉を取り繕うことに慣れすぎたらしい」
自虐的な笑みを浮かべたアデルに、ルイは首を振った。
「アデルさんはいつも、私に正直だったじゃないですか」
アデルの好意的な言葉たちを、からかいだと突っぱねたのはルイ。
だからアデルも、自分の好意をからかいと称した。
ルイに、気を遣って。
今更ながらにアデルを苦しめていたことに気付き、ルイは俯いた。
大好きな、愛しい人を苦しめ続けた。
自分が素直になれないせいで、傷つけていた。
もう、そんな真似はしたくない。
「今まで、気付かないふりをしていて、ごめんなさい」
謝ることではない、とアデルは思う。
ルイはそうしなければ、自分の忠誠心を守れなかったのだから。
