「少なくとも、今はお前が嫌がるようなことはしない」
アデルは手に取ったルイの髪を持ち上げ、唇を押し当てた。
髪の毛の先端にまで神経が通ってしまったかのように敏感にアデルの熱を感じ、ルイが慌てて身を引いた。
ようやく自分から狼を部屋に誘い込んだことを自覚したらしい。
アデルは、肩を竦めた。
「しない……が、したいというのが本音だな」
にやりと笑ってみせれば、ルイは顔を真っ赤にして目を逸らした。
いちいち素直に受け取り反応を返す姿が、新鮮で可愛かった。
それが楽しくてちょっかいを掛けているうちに、いつのまにかからかいは本音へと形を変えていた。
気付いてしまったから、アデルはルイに想いを告げた。
失う恐怖がアデルを襲ったあの夜、アデルはルイに言ったのだ。
好きだ、と。
あの夜と違うのは、アデルがずっと落ち着いていること。
そして、今から伝える言葉は冷静になったアデルが自分を見つめて、本当にルイに望んでいる想いだ。
