身体がぴったりとくっついた。
自然と距離感も近くなる。
ルイは、刺すような視線を感じ、目だけでその位置を探ろうとする。
「ルイ」
「……ごめんなさい」
「よし」
アデルから目線を外した瞬間、責めるように名を呼ばれた。
しかし、ルイは一瞬の間に視線の主を見つけだしていた。
先程までアデルを囲っていた貴族の娘たちからの視線であった。
嫉妬と羨望。
美しいのは見た目。
そう言ったノルンの言葉は、万更嫌味でもなかったかもしれない。
「気にすることはないだろうよ」
「でも」
「俺が踊りたいのはルイだ。それで十分じゃないのか?」
二人だけに聞こえる声で交わされる会話。
アデルは純粋に嬉しそうな笑みを浮かべている。
どこか子供じみた表情に、ルイの胸は高鳴る。
「心配するな。お前は俺に相応しいよ」
アデルの言葉に、ルイは曖昧に首を傾げた。
白薔薇の花言葉、知らないなこいつ。
ノルンが気を利かせて教えておいてもいいものを、とアデルは心の中で幼なじみを詰る。
「ルイがいいんだ、俺は」
飾らない言葉で伝えた本心は、ルイにどう届いたのか。
「……私、も」
小さな呟きに、アデルはどうやら伝わったようだと目を細めた。
