優しく頬をなぞる指に、ルイの背筋が震えた。
「ちなみに、俺も料理は得意だ」
「そう……なんですか?」
アデルは何でも出来てしまう印象があるため、ルイは首を傾げながらも納得していた。
素直に感心しているルイの頬から手を離すと、アデルは盛大なため息を吐いて曲げていた身体を起こす。
「今の話の流れだと、ルイはここで『わぁ、良かった』と安心するところだろう?」
「え?何故ですか?」
アデルからクッキーの作り方を教えてもらえると聞いたときは確かに嬉しかったが、安心という意味がわからない。
懸命に頭を捻り、言葉の意味を掴もうとするが、残念ながらルイの頭ではアデルの真意は理解出来なかった。
「わかりませんって顔だな」
「う……。はい」
「正直で可愛いが、もう少し察してくれ」
可愛い。
アデルの不意打ちに、ルイは一瞬で顔を真っ赤にした。
ころころ変わるルイの表情を見ながら、アデルは楽しそうに笑う。
