金色の師弟


「駄目です!帰ってください!」

ルイは二人の間に飛び込むと、素早く真ん中の皿を取り上げる。
……そうすることで、自分の作ったクッキーを教える結果となったことには気付かぬまま。
身体の後ろに隠し、アデルを睨み上げるルイ。
まるで、虎に対峙する兎だ。

アデルの口元が、緩やかに弧を描く。

「あ、イアン様」

「え?」

次の瞬間、アデルは入り口を指差し不敵に笑う。
アデルの策略にあっさりと引っ掛かり、ルイはくるりとアデルに背を向ける。

「お前は本当に素直だな」

「え?あ、あぁ!?」

すかさずアデルは皿を取り上げ、自分の頭の上へと持ち上げる。
ルイはアデルの胸の高さ程の身長しかないため、アデルに持ち上げられては手が届かない。