金色の師弟


ノルンは嬉しそうな笑顔で、果物ナイフを手に取った。
ケーキのスポンジを作れ、と言われたらノルンも困ってしまうのだが、苺のへた取りくらいなら自分も出来る。
ルイにしても同じ。
体力に自信はあるから、生クリームの泡立てならば彼女にも出来る。
それに、ボウルの中に材料を入れたのはミーナだ。

料理に自信のない二人に、まずは簡単で出来そうなことからやってもらおうというミーナの思いやり。
二人はそれに気付かず、与えられた仕事を楽しそうにこなしていた。

「私は一緒に生活していた子が料理上手だったので任せきりにしてしまって……。本当に美味しい料理を作るから私は出る幕もなくて……」

ミーナもノルンも、「一緒に生活していた」という部分には触れずに、微笑んだ。

「そんなに美味しいのなら、食べてみたいですね」

ミーナの穏やかな声に、ルイは明るく頷いた。

「はい!オネストの料理人にも負けないと思います」