金色の師弟


だが、焦げてしまってもミーナのクッキーは食べられないものではなかった。
焦げてない部分は、普通に美味しかったのだから。
クッキーとは、普通そういうものだろうとミーナは思う。
失敗はするかもしれないが、失敗したところで食べられないものが出来上がることはない。

そう、思っていたのに……。

(私が教え方を間違えたのかしら……)

二人のクッキーは、ミーナが時間をきっちりと守らせたため焦げてなどなく、美味しそうな見た目をしていた。

だが、何故だろう。

一口食べると、口の中に広がる苦み。
もしもこれが薬だったのなら、きっとどんな病気でも治すことが出来たのだろう。
そう思わせる程に、ノルンのクッキーは苦かった。

そして、ルイのクッキーはノルンとは逆で破壊的なまでに甘かった。
吐くほど甘い、という表現は聞いたことがあるが、そんな言葉では表せない。
むしろ、痛い。
甘さが痛いのだ。
舌を刺す刺激は甘さを越えて辛さと認識されているのではないかと不安になるほど、舌がひりひりとした。