「どうしました?」
尋ねるアデルは、寂しげに笑っていた。
その表情から、自分の子供のような嫉妬心が見透かされていることを、エルクは悟る。
わかっていて尋ねるのだから、アデルも質が悪い。
だから、エルクも正直に淋しいとは言ってはやらない。
「いや、お前に惚れられて彼女は大変だろうと思っただけだ」
エルクがわざとらしくため息を吐けば、アデルは苦笑混じりに肩を竦める。
半分は本心で、半分は嘘。
「見たところ、随分と純粋な奴だったな。お前の相手にはもったいない程だ」
「それはそうですよ。俺が惚れた女ですから」
嫌味に対して胸を張って答えられ、エルクは眉をしかめた。
アデルに嫌味の類は効かない。
わかってはいたが、あまりに堂々とし過ぎていて逆に腹が立つ。
