「正直、厄介だとは思う。三国のうち二国で婚姻が結ばれたら、同盟国のバランスは崩れてしまうかもしれない」
二国の婚姻。
つまり、それは二国が一つになるということ。
もちろん、オネストの生産力をメルディが独り占めするような真似はしてはならない。
変わらずオネストにシェーダから兵を出すとしたら、シェーダから不満が出るかもしれない。
問題は多い。
だから、今までイアンはミーナを諦めようとしていた。
「でも、誰かに取られるって思うと嫌なんだ。だったら、問題を乗り越えて彼女を手に入れたいっていうのが僕の本音。……ルイに聞かれて、改めて強く思ったんだ」
ありがとう、と笑うイアンに、ルイの瞳からは涙が零れた。
逃げている自分が、恥ずかしかった。
そして何より、誠意を持って向き合ってくれたアデルに申し訳なかった。
「私は……イアン様の、力となりますから……」
ミーナと婚姻を結び問題が生じるなら、解決のために力を惜しまない。
そう、決めた。
だから今は、メルディ王国から離れたくない。
例え、アデルを想っていても。
それがルイの、本心だった。
(……伝えなきゃ)
今すぐに、はルイの心の準備が出来ていないから無理だ。
だが、気持ちを整理して、必ず伝えなければいけない。
好きだと言ってくれたアデルと、向き合いたいから。
