イアンはしばらく目を閉じ、言葉を探した。
メルディ王国の王としての答えと、イアン個人の感情としての答えは、別々の方向を示していた。
メルディの騎士、ルイ。
イアンが彼女の前で答えるのなら、それは王としての答えでなければならない。
だが、イアンはあえて、それに逆らった。
「僕は、嫌だよ」
イアンの本心。
ミーナが誰かのものになるなんて、そんなことは望まない。
「国のため、なんて理由でミーナに結婚なんてしてほしくない。彼女が本当に好きな相手となら、仕方ない。祝福するよ。でもね」
イアンはそこで言葉を切り、ルイを見つめた。
吸い込まれそうな瞳に、ルイはびくりと肩を震わす。
「僕以外と幸せになるミーナの姿は、想像したくない」
イアンはにっこりと微笑んだ。
