ルイは、はっと顔を上げた。
今にも泣きだしそうなルイの表情から、イアンは彼女の恋心を察した。
そして、イアンはゆっくりと微笑んだ。
「メルディとシェーダは同盟国だよ?だから、国の違いなんて些細な問題じゃないか」
「イアン様……?」
「君は僕やメルディの幸せを一番に考えようとしてくれているけど、僕の一番の幸せはみんなが幸せになることなんだ」
イアンは立ち上がり、深い瞳でルイを見下ろす。
「みんな、の中にはもちろんルイも入っているよ」
「私の幸せは……イアン様に仕えることです」
「本当に?」
責めるようなイアンの問い掛けに、ルイは頷いた。
「はい」
嘘ではないから。
ルイにとって、イアンに仕えるということは幸せの一つ。
アデルを好きだと思う気持ちに負けない程に、イアンの力になることを願っているのだ。
そしてルイは、二つを同時に叶えられるとは思っていない。
中々に強情なルイの返答に、イアンは苦笑混じりにため息を吐いた。
