「エルクはそれが心配だったみたい。アデル将軍はエルクにとっても大切だからね。人当たりはいいのに、実際は心を開かず愛想笑いばかり。……それが、心配だったと言っていた」 ルイは俯いた。 膝の上で拳を作り、握り締める。 アデルはルイを信頼し、愛してくれた。 それなのに、ルイは逃げることばかりを考えている。 離れる未来を怖がり、本音を伝えられず。 今すぐに離れてしまうことが嫌で、嘘でも拒めない。 狡賢いのはアデルではない。 ……自分だった。 「……ねぇ、ルイ」 優しく耳を打つ、イアンの声。