足が向かったのは、ミーナが自身の手で手入れしているという庭園。
夜の闇の中では咲き誇る花々の美しさは霞んでしまうが、月明かりにぼんやりと浮かぶ花の色は幻想的で、昼とは違う顔を見せる。
庭園の中、設置されている長椅子に座る人影があった。
離れていたが、それが自身の敬愛するイアンの姿であると気付くと、ルイは小走りでイアンへ近づいた。
「イアン様!」
「……ルイ?どうしたの?こんな時間に」
「イアン様こそ、どうなさったのですか?」
ルイは頭を下げ、イアンの前に膝を付く。
心なしか、イアンは落ち込んでいるように見えた。
