「申し訳ありません!見逃してくださった姫様のお言葉を忘れ、俺は……」
「嘘だ」
「は?」
ライラは表情を変えず、冷たい瞳で言い放つ。
「一月前に捕まえた賊は牙狼団ではない。それに、俺はその討伐隊に同行していないから詳しくは知らない」
「お前……!」
男の唇が、怒りに震えた。
ライラは立ち上がり、二人を見下ろしたまま冷笑を浮かべる。
「さて、教えてもらおうか。何故今お前は僕に話を合わせたんだ?」
ライラの口車にまんまと乗せられた男は、恨めしげに唇を噛み締めライラを見上げた。
対して、エルク達一同は唖然としていた。
無表情と淡々とした語り口が、疑う隙を与えない見事なはったりだったのだ。
