彼らに民を傷つけられたミーナの心情は穏やかではないだろう。
だが、彼女はそれでも微笑を浮かべて賊の前に膝を付く。
座らせられている二人と視線を合わせると、そっと微笑んだ。
「何かお話できない事情がおありなのでしょう?無理に聞き出そうとは思いません」
「ミーナ……!」
「エルク様、お願いです」
ミーナに見上げられ、エルクは息を詰まらせた。
ミーナが幼なじみにあえて様付けをして呼ぶ。
それは、彼女の強い意志の表れでもあった。
切に願う彼女の潤んだ瞳に、エルクは強く非難出来なかった。
「申し訳ありません!」
急に賊の一人が頭を下げた。
それに吊られ、隣の男も慌てて頭を下げる。
「申し訳ありません、ミーナ様!貴方様は俺たちのような者にまで慈悲を与えてくださるというのに……」
ミーナの優しさが男の心に触れたようだ。
ミーナは少し誇らしげな笑顔を浮かべ、エルクを見上げた。
