討伐隊が出発し、一晩が経った。
天候が回復し、朝を迎え空が緩やかに明らんでいた。
悪天候の影響か予定より遅い帰還となった後衛隊を迎えたのは、エルクとノルンであった。
「……アデルはどうした?」
隊を率いて先頭を歩くライラに、エルクは眉をしかめた。
たかが賊にアデルが討たれることはない。
エルクはそう信じている。
「ルイが遭難し、その救助に向かった」
「アデルが、か?」
ライラは頷く。
たった一人を助けるために単独で動く。
エルクは、アデルのそのような一面は知らない。
驚きを隠せずに呆けているエルクに、ライラは後ろに控えた二人の隊員を顎で示した。
「二名だ」
「……あぁ、ご苦労だったな」
エルクはそのまま部隊全体に目を向ける。
出撃時に比べ、やけに人が少ないように見えた。
